最近よく耳にする「所有者不明土地問題」について

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最近よく耳にする「所有者不明土地問題」について

2020/03/28

最近よく耳にする「所有者不明土地問題」について

 3月の「調査士のモノサシ」でも話題にした所有者不明土地問題について書いていきたいと思います。

 所有者不明土地とは、登記記録を参照しても所有者が直ちに判明しない、または判明しても所有者に連絡がつかいない土地のことです。所有者不明土地は山岳部や山間部を中心に全国約410万haに上るともいわれ、さらに増加の一途を辿っているようです。

 この所有者不明の物件が生まれる理由として、①相続人が登記名義を変更していない場合、②そもそも相続人がいなかった場合、③相続人が決まらなかった場合が考えられます。特に①のケースが最も多いといわれていますが、①のケースについては我々一人一人の意識で減らしていける可能性があるともいえます。

 所有者不明土地が広がると、例えば山間部に高速道路を開通させようとした際に、境界確認や用地取得が困難となるなど、公共事業や再開発に支障が生じたり、固定資産税のような徴税に漏れが生じます。また、誰も管理しないわけですから、崩壊寸前の空き家が放置されたり、雑木等の繁茂による衛生環境上の問題が発生することも考えられます。

 国もこのような問題が広がることを懸念し法整備を進めていますが、民間の側でも相続登記をしっかりしておくことで所有者不明土地が広がっていくことを抑えていくことが必要だと思います。相続登記の義務化も検討されているようですが、時期を後ろにずらせばずらすほど手続き等が煩雑になっていきますので、まず自分達や親の世代がどんな財産を持っているか整理し、現状の所有者と合致させていくことが大事ではないでしょうか。