長澤隆生登記測量事務所
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曳家と建物登記について

曳家と建物登記について

2020/08/28

曳家と建物登記について

 曳家(ひきや)とは、建築物をそのままの状態でジャッキアップで持ち上げ、ローラー等で移動させ、新しい位置に据え付けるという建築工法のことです。私も実際に行われているのを見たことはありませんが、用地買収で建物が買収地にかかってしまった時に買収地外にそのまま動かす時等に用いられるようです。

 では、既登記の建物を曳家した場合、建物の登記はどうなるのでしょうか。

 

① 同一敷地内に曳家をした場合

 建物の所在、構造、床面積に変更が生じたわけではないので、「建物表題部変更登記」の申請を要しないとされています。ただ、建物の位置は変わっていますので、「建物図面の変更の申出」はすることが可能です。

 

② 甲登記所管轄内のA地番からB地番へ曳家をした場合

 この場合は建物の所在に変更が生じていますので、「建物表題部変更登記」の申請をすることになります。登記原因は「令和○年○月○日曳(えい)行移転」と記載されます。

 

③ 甲登記所管轄内のA地番から乙登記管轄所内のC地番へ曳家をした場合

 この場合は②の事項に加えて、管轄登記所が甲登記所から乙登記所に変わります。

 

このほかにも附属建物のみ別の登記所管轄地に曳行移転したり、県境に跨がるように曳行移転した場合など、いろいろなケースを想定して法整備はされていますので、疑問があれば当事務所まで問い合せていただければ、と思います。

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