いらない土地を国にあげる?相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律について
2021/07/05
いらない土地を国にあげる?相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律について
現在所有者不明土地が増加している問題に鑑み、相続等により取得した土地の所有権を国庫に帰属するかたちで手放すための法律について、国会で審議中なのはご存知でしょうか。ですが、その条文を読んでみると、なかなか帰属までのハードルは高そうです。
国庫に帰属する要件として、土地上に建物がないこと、抵当権等が設定されていないこと、境界が明らかでかつ争いのない土地であること、土壌汚染がないこと等があげられています。国庫に帰属しようとするくらいですから、過疎地の田畑や旧住宅、山林が主に対象になりそうですが、一旦相続した上で建物を取壊したうえで帰属したり、山の中でそもそも自分の土地がどこかも分からないような土地について、周囲の山林と境界確定をして帰属するというのはなかなか大変なのではないでしょうか。
現在でも相続人不存在が確定した相続財産は国庫に帰属することが定められています。つまり相続放棄によっても国庫に帰属ができるということです。ですが、こちらも同様に高いハードルを越えないと国に受け取ってもらえないようです。
セットで審議されている、相続時の登記を義務化し、3年以内に相続登記をしていなかった場合に過料(行政罰)を課す法案があるのですが、国の立場としては、まずは相続の登記について関心を持ってもらい、国に帰属するのにも高いハードルがあり、過料も払いたくないでしょうから、とりあえず積極的に相続登記をしてもらおう、といったところでしょうか。
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