土地の歴史を遡って見ることのできる「旧土地台帳」とは

お問い合わせはこちら

ブログ

土地の歴史を遡って見ることのできる「旧土地台帳」とは

2020/06/30

土地の歴史を遡って見ることのできる「旧土地台帳」とは

 現在法務局の登記記録というのは電磁的に記録されています。それまでは登記簿に土地建物の記録が一筆毎に記されていました。この登記簿に記載されているのは、姫路支局でいえば概ね昭和35~40年以降の記録になっています。ではこれ以前の記録というのはどうなっているのでしょうか。

 法務局には「旧土地台帳」という、明治中期から上記の登記簿に移るまでの期間の土地の記録が記された台帳が備えられています。これには、登記記録と同様、分合筆等の経緯であるとか地目の変遷、所有者の変遷のほか、課税に用いられていた関係上、地価なども記載されています。交付・閲覧ともに無料ですが、交付は手間がかかるため待ち時間が発生すると思われます。

 土地家屋調査士業務では、過去にどのような分合筆が行われ、それが公図に正しく反映されているかであるとか、国有地や道路地として記載されているのに、現在の登記簿に反映されてない土地がないか等を調べる際に用いたりします。先祖代々の土地であれば、ご先祖様のお名前を調べたりする、というような使われ方もするようです。

 この「旧土地台帳」ですが、基本的に手書きであり、記載者がくせ字だったりすると解読が大変だったりします。また記載欄が狭く、一文字一文字が小さくそれも解読を難しくさせているように思います。

 また、余談になりますが、役所の税務課等には分合筆等申告書というものが備えられており、法務局に地積測量図が備えられる以前の求積図がある場合もあります。

 このようにして、様々な資料も調べますので土地家屋「調査」士という資格名がついたのかもしれませんね。